「僕たちが通う仁憲高校では、
反日行為の強要が日常的に行われてきました。
先生たちは社会通念上、決して許されないことを
言っても、それが反日を煽るものであれば、
全て正しい教育であるかのように振る舞ってきた。
仁憲高校は教師の支配下にある、
『反日マシーン養成所』なのです」
こう語るのは韓国・ソウル市にある
仁憲高校3年生の金花浪君だ。10月23日、生徒たちが
「反日行為を強要された」として仁憲高校の
「反日教育」を批判する会見を開き、
韓国内でも大きな話題を呼んだ。
今回、同校3年生で、生徒たちが立ち
上げた団体「仁憲高校学生守護連合」の
代表である金花浪君とスポークスマンの
崔仁鎬君の二人が初めて日本メディアの取材に応じ、
弁護士同席のもと、反日教育の実態を赤裸々に語った。
反日スローガンを叫べ!
彼らが会見を開くきっかけとなったのは
10月17日に校内で開かれたマラソン大会だった。
教師が生徒に対し、「安倍自民党は滅亡する!」、
「日本の経済侵略に反対する!」など
反日スローガンを叫ぶことを強要したという。
崔 反日スローガンの書かれたポスターを持たされ、
大声で叫べと言われ、生徒たちは
従わざるをえなかったのです。
金 マラソン大会は1、2年生が参加した行事ですが、
疑問に感じた後輩が動画を撮影していて、
僕たちに相談をしてきたのです。動画を見た僕と仁鎬はすぐに
抗議の声を上げることを決意しました。
金君と崔君が抗議の声を上げると、
多くの生徒からマラソン大会以外にも
反日行為を強要された事例が数多く寄せられた。
そのほとんどは授業の場で日常的に
行われてきたものだという。
金 歴史の先生たちからは、「日本は敵で、
北朝鮮は友人だ」と考えている様子が
ありありと感じられました。
「日本は昔の軍国主義が頭を離れず、
世界を征服したがっている。アメリカと
日本は韓半島を分断させ、南北統一されることを
妨害しているんだ」といったことを平気で言いますから。
ありえない妄想ですよ。
「不買運動やってるか?」
今年7月に日本が対韓輸出規制を
行って日韓関係が悪化すると、
教師による反日行為の強要も
エスカレートしていったという。
崔 僕が国語の授業が始まるのを待っていると、
教室に入ってきた先生が開口一番、
「お前ら、ちゃんと日本製品の不買運動をやってるか?」と
聞いてきたこともあります。
その先生は以前から個人的に
不買運動を実践してきたそうですから、
生徒に対しても、「当然、やるべきだ」と
圧力をかけてきたわけです。
不買運動のターゲットにされたのは、
韓国全土で100店舗以上を展開するユニクロだ。
崔 やっぱり先生の影響力は大きいからね。
よくわかっていない生徒は、
「私もユニクロを買うのをやめます」と
言っていたよ。
ほかにも、どれくらい反日製品の
不買を実践したか、一人ひとりに
発表させる先生もいました。
金 ユニクロは日本企業の代名詞と
してよく批判されることがあるけど、
ユニクロ側に問題があるとは思えません。
ちょっと反日感情がいきすぎてる気がするけど。
崔 だけど、ユニクロを毛嫌いしてる
子なんて少数じゃないかな。
僕はユニクロで買い物をしたことが
ないけど、いい商品があれば着ると思う。
いまは好みの服が売ってないだけで(笑)。
金君は「文藝春秋」の取材に応じた理由をこう説明した。
金 僕らは隣同士の国ですから仲良くした方が
いいに決まっている。韓国にも僕たちのように、
韓日関係を改善したいと願っている人や、
いきすぎた反日行為に眉をひそめている人は
たくさんいます。
それを知ってもらいたいと思って、
今回、日本メディアの取材を受けることにしたのです。
「文藝春秋」1月号および「文藝春秋digital」掲載の
「 韓国高校生は『反日教育』に反対します 」では、
金君と崔君が抗議の声を上げるきっかけとなった
マラソン大会当日の様子や、
仁憲高校の教師たちが大学受験を
「人質」にして反日行為を迫った実態に